LEGO

FAT BOYレゴの誕生

小さいながらも完璧なフォルム。LEGO®製FAT BOYではディテールへのこだわりが忠実に再現されているとシニアデザイナーは語る

FAT BOY™はHARLEY-DAVIDSON®屈指の人気モデル。


1990年、ウィリー・G・ダビッドソンとルイ・ネッツによってデザインされ、シルバーのモノクローム塗装が施された最初期のモデルでは、イエローの装飾をあしらったシルバーのフレーム、シートとフューエルタンクのレーシングによって手作り感を演出し、世界的な人気を博した。

これらのアイコニックなデザインエレメントと世界的に有名なロゴは、今日製造されるモデルにも引き継がれている。しかし最新バージョンには、この商標とハーレーダビッドソンのハスキーなエンジン音は備わっていない。なぜか?LEGO®だからである。

ディテールへのこだわり

ハーレーダビッドソンとレゴが提携し、1,023ピースからなるFAT BOYを誕生させた。高さ約20cm(7インチ)、幅18cm(7インチ)、全長33cm(12インチ)のレゴによる最新のバイクモデルは、ディスプレイモデルとしての高い完成度を誇る。

特筆すべきはディテールへのこだわりだ。このレゴ製FAT BOYは発売当時のマシンの雰囲気を忠実に再現している。リヤタイヤを回転させると、ピストンが動きMILWAUKEE-EIGHT®エンジンに命が吹き込まれる。10個のエンジンが組み立てられ何千サイクルものテストを繰り返し、装着されたすべてのエンジンが長時間の使用を経てもスムーズに稼働することが確認された。レゴのエレメントデザイナーであるマニ・ザマーニは、FAT BOYが持つ240㎜のリヤタイヤを再現するためにタイヤ幅のサイズとしてはレゴ最大となる35㎜のタイヤも開発した。

デュアルエキゾーストパイプ、ハンドルバーのステアリング、可動式のギヤシフトペダルとブレーキレバー、さらにはモデルの再現性を高めるためにレゴの開発チームの努力の結晶とも言えるキックスタンドが追加された。さらに、同モデルで使用された本物の「ウィキッドレッド」とブラックカラースキームにより、ハーレーダビッドソンの完璧なルックが完成。

開発秘話

「レゴブロックは、動かす必要のない四角い家や長方形の構造物を作るのに適しています。四角くない上に、動くものであるバイクの開発は、始まりからすべてが挑戦でした」と語るのはレゴのシニアデザイナー、マイク・サイアキだ。「最大の難関だったのはフレーム部分でしょう。FAT BOYのSOFTAIL®フレームに相当するものを作るのはとても困難でした。しかも、触って遊ぶためには十分な強度も必要です。最終的にLEGO Technicとシステムエレメントを組み合わせたハイブリッドデザインが採用され、頑丈でありながら美しいモデルが生み出されたのです。もちろんレゴのエンジニアリングが得意とする、他では味わえない組立て体験も実現しています」

ハーレーダビッドソンとレゴ。この二つのブランドの共通点を考えれば、コラボレーションは自然な流れであると言える。いずれも世界的な潮流を生み出してきた歴史ある企業でありながら、1903年創業のハーレーダビッドソンと1932年創業のレゴの始まりは慎ましやかなものだった。ハーレーダビッドソンは、ウィリアム・S・ハーレーおよびアーサーとウォルターのダビッドソン兄弟によって設立され、かたやレゴは世界恐慌のあおりを受けて失業中であった木工職人オーレ・キアク・クリスチャンセンが木製の玩具を作るところから始まった。この二つのブランドが何よりも重視するのが個性と創造性だ。

レゴのFAT BOY開発には創造性が不可欠であったに違いない。マイクはさらにこう続けて結論付けた。「機能性、安定性、審美性という観点から、すべてが上手く機能するよう、何度も試行錯誤を繰り返してモデルを完成させました。しかし我々が一番大切にしていたのは、組み立てる喜びをユーザーに届けることでした。それがレゴがレゴたる所以なのです」

大いなる夢

レゴから登場した新モデルを記念して、レゴのマスタービルダー達によるFAT BOYの実寸大モデルが作成された。完成までに70,000個のブロックと865時間が費やされている。 実際に発売されるモデルはそこまでの労力を必要としないが、このモデルは推奨年齢が16歳以上の「クリエイターエキスパート」シリーズということもあり、一筋縄ではいかないだろう。

このレゴ製FAT BOYは、LEGO®ストアやshop.LEGO.comで2019年8月1日から発売されている。この組立モデルの原点になったバイクについては こちら