All hail the Softail

SOFTAIL万歳!

ハーレーダビッドソンのラインナップで最もハーレーらしいバイク、それがSoftail®シリーズだ。特徴的なルックスに、搭載された最先端テクノロジー、ストリートでの名声…。そのすべてが Softailの真髄とも言える。そこで今回は、登場から35年以上の歴史をもつこのシリーズの進化にスポットを当て、最新モデルのオーナーにこのバイクの魅力を尋ねてみることにした

Softail®シリーズは現在、ハーレーダビッドソンを代表するバイクのひとつとなっている。ハーレーダビッドソンの長い歴史を想起させるハードテールやホースシューオイルタンクのデザインに、スッキリとしたフォルム。誰もが認めるクラシックなスタイルを受け継いでいるのが、Softailだ。一方でその機能は、常に進化を続けてきた。たゆまぬ開発と最先端テクノロジーによって、Softailは35年前に初めて登場して以来、常に時代の最先端を走り続けている。

ファミリーの誕生
Softailファミリーが生まれたのは、1980年代初頭。ビル・デイビスというデザインエンジニアが、リアのビッグツインフレームにショックアブソーバーを隠して搭載するデザインを考案し、このコンセプトをハーレーダビッドソンが買収した。その後、デイビスはハーレーダビッドソンのエンジニアたちと共同で、1984年式FXST Softailのデザインを完成させる。スッキリとした形状のフレームに、低いシート、そして前年に発表されたクラシックな「ハードテイル」スタイルを受け継ぎつつ、ガス封入ショックアブソーバーをフレームチューブ下に水平に組み込んだフルリアサスペンションを搭載することで、快適さと優れた操作性を実現した (ハーレーダビッドソンは、トランスミッションの下にショックアブソーバーを配置するというデイビスの代替案を採用している)。そして1936年式「ナックルヘッド」エンジンのホースシューオイルタンクを採用し、アンティークなルックを現代に蘇らせた。これが今日のSoftailのデザインにも色濃く受け継がれている。

以来、1986年式FLSTヘリテイジソフテイルは現代にいたるまで、ハーレーのラインナップに君臨し続けている。フロントエンドをHydra-Glideスタイルで仕上げた1950年代のクラシックな外見が、このバイクで復活したのだ。その後1988年には、FXSTS Springer Softailによってこのレトロなルックが一層進化した。「スプリンガー」スタイルのフロンドエンドに、スプリングがむき出しになったスタイリッシュなフロントフォーク、そしてスッキリとしたSoftailのフォルムをクロームの光沢が完璧に仕上げている。

真打ち登場
1990年モデルでは、ついにあの名車が登場する。デイトナバイクウィークでライダー達から寄せられたフィードバックを元にウィリー・G・ダビッドソンがデザインした、FLSTF FAT BOYだ。虚飾を廃したビンテージな外見と乗り心地を追及し、このファットボーイが生まれた。初年度のモデルは、厚みのある「ファット」なルックに輝きを放つシルバーペイントが施され、ディスクホイールを装備。このバイクは 1991年の映画『ターミネーター2』に登場し、一躍有名となる。

1997年モデルのFLSTS Heritage Springerでも、スプリンガーフォーク、クラシックなサドルバッグ、ホワイトサイドウォールのタイヤ、トゥームストーンテールランプと、レトロなテーマが引き継がれた。そして2000年に登場したFXSTD Softail Deuceは、おそらくSoftailの歴代のファクトリーカスタムモデルで最も攻めたスタイルだ。燃料タンクパネルを中央に備えたやや細長い形状の燃料タンク、艶のあるクローム仕上げのフロントフォーク、そして心臓部には新型のTWIN CAM 88Bエンジンが搭載された。

2008年モデルでは、革新的なRockerがデビューする。スイングアームにリアフェンダーが取り付けられたスラムドカスタム風の仕上がりだ。同年には、デニムペイント、ピンストライプ、スプリンガーフロントフォーク、ブラックアウトといったいでたちで戦後の「ボバー」スタイルを彷彿とさせるCross Bones®も発表された。2011年の映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』には、改造されたCross Bonesが登場している。

ラディカルな革新
2012年にはレトロなスタイルのSoftail Slim®がファミリーに加わる。そして2017年にはSoftailのフレームデザインが完全に一新された。アップグレードされたリアシングルショックアブソーバーがシート下に配置され、新型構造のスイングアームが装備される。これにより新型Softailは大幅な軽量化に成功し、これまでの世代に採用されていたプラットフォームを凌駕する剛性を手に入れることとなった。その翌年には、ツインカムエンジンに替わりMILWAUKEE-EIGHT®エンジンが搭載されたことで大幅なパワーアップが実現し、排気量も1745ccと1868ccの二種類が用意された。そう、Softailにはすべてが詰まっている。斬新なシャシーに搭載されたMilwaukee-Eightエンジンから溢れ出す生粋のパワー、DNAに脈々と受け継がれてきた決してまねのできないスタイル。これこそが、Softailだ。

ハーレーが生み出したバイクの中でも最も商業的な成功をおさめたファミリーであるSoftailは、これからもハーレーダビッドソンのスタイルと乗り心地を、若い世代のライダーたちに伝え続けてゆくことだろう。

そして2019年となった今、Softailシリーズには、Street Bob®の無駄を削ぎ落したミニマリズムから、Breakout®のマッチョなモダンチョッパーまで、あらゆるライダーとライディングスタイルにフィットするラインナップがそろっている。そのスタイルとパフォーマンスは今後35年間も、受け継がれていくだろう。

現行モデルのオーナーに、アイコニックなこのシリーズの何が魅力なのか話を聞いた。